可能性と後悔

わかりあえない僕たちは

2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

嘔吐

おれの言葉は常に懺悔でしかない。そして、この「懺悔でしかない」という言葉も発せられた瞬間からただの醜い自己弁護に変容する。何層も積み重なった入れ子状の自己嫌悪でおれの言葉は作り出されている。おれはいつだって汚い。姑息だ。卑怯だ。こんな内面…

せめてハタチになる前に

せめてハタチになる前にきみを愛して死にたいせめてハタチになる前に何も成し遂げられなかった男として死にたいせめてハタチになる前に本当の蜜の味を知って死にたいきみを愛していないとか、そんなことはこれっぽっちもなくて。けれどもおれは、この世界で…

恋がそっと入って来られるように恋が黙って出て行けるようにドアを開けて寝よう。

空の青、哀しみの青

先日、小学校の同窓会があった。同窓会と言っても、当時仲の良かった8人程度にしか声のかかってない小規模なものだ。それでも、久々の"同窓会"という甘美な響きに若干の期待を抱きながら、ぼくは待ち合わせ場所に向かった。待ち合わせ時間の30分前、「ちょっ…

たとえば好きなものの話とか

窓際の席でぼくは、夏の強い日差しを背に受けながら、一向に埋まる気配のない原稿用紙を絶望的な気分で眺めていた。9歳のときの話だ。「好きなものについて書きなさい」先生がそう言った途端、周りのみんなの硬質で不安そうな視線はふっと緩んだ。けど、僕は…